顧客育成/CRM-NEWS&コラム  顧客育成/CRMの仕組み化・現場化

 
顧客育成/CRMニュースをピックアップ 。
SISの視点でお伝えします。

 
顧客育成/CRMの今を、SISの独自視点でお伝えするコラムです。
 
 

マーケティングの分野は、日々販売の現場での創意工夫の中でさまざまな新しい手法が生み出されています。数ヶ月前までどの会社もやっていなかったことが、多くの会社で当たり前に行われていることもよくあることです。
ここでは、市場で起きている事実の中から、顧客育成/CRM(顧客育成マーケティング)に関するマーケティング情報をSISならでは視点で分析しています。
 
 
 
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シべール
「顧客に特別なマインドを起こさせるツール群」
 

山形県あるシベールはラスク販売を中心とするメーカーで、デパ地下をはじめインターネット等のダイレクト販売を行っている企業。この企業は、商品購入のお客様に「季刊ニュースレター」「月間ニュースレター」「商品リーフレット」「40周年記念として本(新書版:200P)」を配布している。どのツールも長期的視点で、顧客との関係性を深める意図を持ったリレーションツールであった。
 
SISの視点−リレーションツールとエモーションツール
インターネット・メール・TV・電話・DM・チラシ等、近年、消費者が触れる、受け取る広告物は増える一方である。この状況は、消費者の行動を変える。広告物を読んで判断するのではなく、基本的に切り捨てることを基本とする。広告物を読むこと事態が習慣化しておらず、捨てることが習慣化しているのである。特に都市部では広告に触れる機会も多く、その行動は顕著になる。ではどんなツールにすれば、顧客に読んでもらえるのか。
消費者が購読するツールはスーパーのチラシのような購読が習慣化しているツールを除いて、以下2種類のツールになる。
 
〈情報化社会において顧客に刺さるツール〉
1. エモーショナルツール
顧客の感情に訴えるダイレクトレスポンスマーケティング理論を使ったツール(エモーショナルツール)か、自分と関係性がある、また関係を作ろうとしている企業・販売スタッフからのツール(リレーションツール)に限られる。
「エモーショナルツールは、顧客の感情にダイレクトに訴求するツールで短期間で売上アップを実現するには効果があるが、次第に効果が薄れていく。同じ相手に何度も使えない。」
 
2.リレーションツール
「リレーションツールは、顧客との関係を構築していくツールで短期間での効果は難しい場合があるが、顧客との距離を序々に縮めることで永続的な関係を築くことができる。」
ビジネスは短期的に売上を獲得しなければならないと同時に、何年、何十年と売上を獲得していかなければならない。顧客育成モデルから導き出される個々の顧客育成ストーリーを念頭にエモーショナルツールとリレーションツールの最適な組み合わせを探す。それが短期的長期的な売上獲得に欠かせない。
 
 
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通信販売会社
「TEL応対感覚評価」
 

ある通信販売会社では、顧客からのTEL応対が終了した直後に、今の問合せに対する顧客の反応がどんな感じだったか、5段階で評価し、パソコン上(イラスト表示)で選択。次回コミュニケーション時の参考にしている。(出典:アイエムプレス 2006.9)。
 
SISの視点−情報の分類
CRM顧客リレーションシップマーケティング)が求められている背景には、「商品価値の競争」から、「商品に関わる“情報”伝達の競争」へと時代が変化していることが考えられる。そして、キーとなる“情報”は人それぞれ・場面で種類が異なる。種類が異なる情報でコミュニケーションを交わすと意思疎通が難しい。
高橋憲行氏によると、情報は大きく5つの種類に分類できるという。
  
(情報の種類)
1.計量系情報
数字で表現される情報。顧客購買データ・アンケート数値等がこれにあたる。
2.論理系情報
図解・文章の情報。企画書・報告書・日報等がこれにあたる。
3.会話系情報
文字で表現された文章に比べるとかなり曖昧な情報。接客時の顧客との間で交わされるコミュニケーション等がこれにあたる。
4.非言語系感覚情報
視・聴・嗅・味・触の五つから感じる情報。店舗・販促ツールのデザイン、肌触り等がこれにあたる。
5. 非言語系潜在情報
第6感、直感といった心で感じる情報。店舗・スタッフの雰囲気等がこれにあたる。
  
CRMとの関連性)
■非言語系感覚情報の重要性
顧客との関係性を深めるCRMでは、顧客とスタッフがダイレクトに接する、接客場面の重要度が高い。その場面では、非言語系感覚情報のやり取りがポイントになることが多い。
  
■非言語系感覚情報の言語化
顧客への定期通信・ニュースレター・DM等、店舗外で行われる顧客へのアプローチの多くは、言語系情報で行われる。非言語系のニュアンスを言語系に変換するセンスが必要となる。
 
■顧客購買データ分析の限界
顧客購買データは計量系情報で、その情報は全体の一部に過ぎない。顧客購買データは重要だが、販売現場では会話型情報・非言語系情報が数多く存在している。この情報ギャップが販売現場と本部のコミュニケーションを難しくする。販売現場の会話系情報・非言語系情報を吸い上げる仕組みが必要になる。
 
※余談だが、MBA取得者が得意とする経営工学は、計量系情報が大部分。しかし、ビジネスにおいて計量系情報は一部に過ぎない…、それだけで経営判断を下すのは、あまりにも情報量が少なすぎる。
(参考・抜粋資料:高橋憲行著/企画創造力大辞典)

     
 
  
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ネット専業証券
「コールセンター相次ぎ拡充」
 

カブドットコム証券・マネックス証券等のインターネット専業証券がコールセンターを相次いで強化している。株式投資の初心者を中心に顧客が広がり、TELによる株取引・ネット上の操作方法、投資信託などについて問合せが増えているため。ネット証券は手数料の引き下げ競争が激しく、TELサービスも競争の舞台になってきた。(出典:日本経済新聞2006.9.12)。
 
SISの視点−TELメディアの活用
TELは1876(明治9年)年に開発され、130年の歴史を刻むオールドメディア。
インターネット全盛時代において、その価値が下がったと思われがちだが、
CRM顧客リレーションシップマーケティングにおいて、その価値は変わっていない。
  
TELの特徴は、以下である。
1. one to one…個人vs個人でコミュニケーションを交わすことができる。内容を他人に聞かれる心配は基本的にはない。
2. ヒューマン…会話内容の他にも、話し方・声の強弱・トーン等でニュアンスを伝える・感じ取ることができる。
3. 時間共有…同じ時を共有化できるので一種の一体感が生まれる。相手の状況を配慮せずに、掛かってしまうリスクもある。
4. パーソナルメディア…マーケティングメディアというよりは、パーソナルメディアと認識しているので、マーケティング活動に対して不快感を持つ可能性も高い。
 
上記特徴を持つTELだが、CRMでのTEL活用にあたっては以下がポイントになる。(無差別に行うTEL営業とは全く異なる。)
1. TEL実施顧客について
新規顧客獲得には使わない。顔と名前が一致した既存顧客に行うこと。さらに、商品以外のことについてコミュニケーションを交わした顧客であることが望ましい。逆に言うと、接客時に商品以外のことをお話することで、TELがしやすい状況が作れる。
※顧客登録アンケート等で、TEL連絡の可否・実施OKの時間帯をご記入いただくのもいいでしょう。
2. TEL内容について
TELはあくまでのフォローメディアとして活用すべき(DM送付後のフォロー等)。TELで商品のお勧め・商品説明をすると、押し売り感を顧客が感じてしまうからである。

 
 
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地域家電店ヤマグチ
「累計購入金額&最新購入日で顧客分類」
 

東京町田にある地域家電店「でんかのヤマグチ」。創業以来の顧客データを半分以下に絞込み、CRM(顧客リレーションシップマーケティング)を展開。家電量販店が乱立する激戦エリアで売上拡大を続ける。年商12億円、従業員44名。
「でんかのヤマグチ」では、顧客を累計購入金額で「100万円以上」「30万円以上」「30万円未満」、最新購入日で「1年以内」「2〜3年以内」「3年以上」とそれぞれ3分類し、マトリックス化。顧客を合計9つの顧客グループに分け、それぞれの顧客に向けてアクションを行っている。(出典:CRM白書2005)。
 
SISの視点−顧客分類基準
CRMでは、顧客を分類し、その分類したそれぞれの顧客に向けて、アクションを起こすことが基本になる。従って、明確な顧客分類基準を持たないままに、顧客単価のアップを追うことはない。
顧客分類基準は、業界特性・取扱商品レベル(低価格・中級品・高級品)・各企業の考え方・店舗周辺状況(エリア情報)を考慮して考えていく。

具体的に、顧客分類基準として主に考えられるのは、以下項目が考えられる。
1.「累計購入金額」
2.「購入頻度」
3.「購入回数」
4.「購入商品単価」
5.「購入商品カテゴリー数」
6.「顧客紹介数」

業界別に一般的に重要視される基準は以下項目になる。
■百貨店業界
→どんな価格の商品を購入したか「購入商品単価」
■化粧品・ブランドショップ業界
→洋服・バック・靴等、どのカテゴリーを購入したか「購入商品カテゴリー数」
■食品スーパー業界
→一定期間に何回来店したか「購入頻度」
■自動車業界
→今まで何台購入したか「購入回数」
■住宅業界
→今まで何人の顧客を紹介したか「顧客紹介数」

上記では1つの基準を示していますが、通常は数種類の基準を結合したものを基準とする。
   
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アシックス“オニツカタイガー”
「手書メッセージカード」

 

東京・代官山にあるアシックス“オニツカタイガー”直営店。接客時にさりげなく各商品のデザインの由来を説明するとともに、会計時にレシートと一緒に「またの来店をお待ちしております。」など、一言添えた手書きのメッセージカードを渡している。(日経MJ.2005.3.22)。
 
SISの視点−顧客への御礼のツール化
通常の店舗では購入客への御礼の気持ちを言葉(接客トーク)でしか、伝えていません。購入顧客への御礼の気持ちを、「オリジナル御礼カード」に託すことで、お店の気持ち・想いをツールで具体的に表現します。
お礼状は顧客住所を獲得しないとできませんが、「オリジナル御礼カード」は会計時にレシートとともにお渡しするので、簡単に実施することができます。その後、顧客との関係がある程度深まった段階で、顧客住所をヒアリングし、定期情報をお送りする等のCRM顧客リレーションシップマーケティングを実施することができます。
顧客は毎日忙しく、自分の生活のこと、家族・子供・恋人のこと、仕事が第一で、店舗の存在を認知はしていても、一歩店舗から出た後に、詳しい事を覚えてくれている可能性は低いという現実があります。顧客の手元に何かが残る、これは顧客の記憶に留めてもらう意味で重要です。

(オリジナル御礼カード:実施ポイント)
1.形状―カード
御礼カードはあまり大げさなものではなく、さりげない形での実施が望ましので、名刺ほどの大きさで十分だろう。ひし形・星形等、形を工夫することも検討。
2.内容―「御礼+祈願」のみ
現在の日本では、次回来店クーポン・ポイントカード等の販売促進が花盛りである。その他大勢との差別化、経済性を超えた関係を求める日本人の気質から、「御礼+祈願(+ショップコンセプト)」のみを伝える。
3.文字―手書き風フォント
年賀状でも手書きのものが少なくなっている今、手書きのメッセージには顧客の心に響く力を持っている。CRMでは重要な視点である。実施にあたっては、すべて手書きする訳ではなく、手書きフォントソフトの活用や、一度手書したものをコピーすれば十分である。
※但し、宝石・高級時計・外国車等、イメージが重要な商品については、手書きメッセージはチープなイメージを与えかねないので、印刷or出力すべきでしょう。
4.パターン―顧客別パターン
顧客識別を基本におくCRMでは、すべての方々に同じメッセージを提供するのではなく、優良顧客向けメッセージ・新規顧客向けメッセージ・オール対応向けメッセージ等のパターンを用意することが重要になる。それにより、顧客に「あなたのことを知っています。」とお伝えすることができます。
 
 
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ラフォーレ原宿
「PRIVATE PARTY」のダイレクトメール

 

ラフォーレ原宿では、2004年より「LAFORET PRIVATE PARTY」と題した、既存顧客限定のクローズドイベントを開催している。今年(6月23日開催)は、1・2・3・5階の全ショップ(合計30)が参加し、通常営業終了後20:30〜22:00に実施された。
そこで集客に使われているのが、既存顧客(名前・住所情報把握)に向けたダイレクトメール。毎回工夫を凝らし、第1回宝石・第2回天使をコンセプトにしたカード式DM、今回は蛇腹式DMを送付した。(出典:販促会議 2006.09)
 
SISの視点−ダイレクトメール(DM)
「ダイレクトメールを送付しよう」と簡単に、気軽に、企業内で言葉が交わされることが多いですが、実はDMといっても封筒・案内文・内容文・申込ハガキ等、複数のツールで構成される。その中の封筒一つ取っても、サイズ、デザイン、色、風合、宛名(書体・手書きか)、社名、メッセージの「複数機能の集合体」となり、一筋縄ではいかない。
ダイレクトメールは、企業からすると一見「単なる告知ツール」と考えがちだが、顧客からすると「企業は私に対してどんなマインドを持っているのか」判断するツールとなる。顧客との関係を深めるCRM(顧客リレーションシップマーケティング)を展開する企業が発信するダイレクトメールは、手にした顧客が、「この会社は“私”に配慮してくれている」「“私”を大切に扱ってくれている」と感じるものでなければならない。
 
(実施ポイント)
1.形状・大きさ
内容がいくら優れていても顧客の目に触れなければ、意味がなくなってしまう。奇抜に感じさせないレベルで、形状・大きさを工夫し、インパクトのあるものにする。
2.質感・素材感
封筒・あいさつ文・内容文等、それぞれの紙の質感・素材感は、コストが許す限り、高級感を感じさせるものが望ましい。
3.文章(コピーライティング)
内容文については全て統一でも良いが、挨拶文については、優良顧客に対して必ず、オリジナルな文章を加える(手書きでも良い)。また、それ以外の顧客向けに対しても、担当スタッフが自分の想いを綴ることが重要になる。
4.デザイン
デザインはショップコンセプトとの統一感を大切にする。
但し、顧客が見やすいことが重要であることに変わりはない。デザインに走りすぎると、文字が小さかったり、人間の目線の動きと違うデザインになり、読みづらくなることがあるので注意が必要である。
   
  
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丸井今井
「カード会員向け特売廃止」

 

北海道で5店舗の百貨店を展開している今井丸井。札幌本店で休業日に行われていた「カード会員限定特別セール」を今年6月で廃止。10年前からはじめ、1年に4日間、1/3程度の商品を、1〜2割引で販売し、売上は月間売上高の1割前後、4〜5億に達していたが、セール前後の売上が落ち込み、利益率も低かった。(出典:日経MJ 2006.08.07)
 
SISの視点−顧客関係深化型:イベントプランニング
集客イベントというとすぐに思いつくのが、ディスカウントセール。
ディスカウントセールは、通常販売への悪影響、利益率低下、限られる実施回数といったデメリットがある。市場のパイが大きかった今までは、デメリットを上回る、大量集客・売上のメリットが上回っていた。しかし、近年、集客・売上が以前より減少するとデメリットの方が大きくなっている。
CRM顧客リレーションシップマーケティングでは、価格訴求ではない、顧客関係深化型イベントの継続開催を基本にする。それは、小規模ユニット(大型店舗であれば各売場単位)で実施されることも多くなる。
 
(プランニングポイント)
1.イベントプラン→顧客との関係づくり+シズル感
安易に低価格を企画の肝にするのではなく、「CRMの基本概念である、顧客との関係づくりを推進するイベント」が基本になる。それに顧客が“楽しそう”とイメージできるシズル感を添える。それには、ターゲットのライフスタイル・流行(旬)、ターゲット像に近い自社スタッフからのヒアリングは欠かせない。
2.価格対応→定価販売
イベントでも定価販売を基本にする。
一律の割引販売は、イベント単体での利益率の低下はもちろんだが、最も大きい悪影響は通常時の定価販売が落ち込むこと。同じ商品を割引で買えることが分かっていたら、通常価格で購入する顧客はどのくらいの割合で存在するだろうか。イベントを実施すればするほど、通常販売が落ち込むという悪循環サイクルになる。
顧客の心理面を考えても、通常商品で購入した商品が、イベントで割引販売されていたら、顧客はどう考えるだろうか。裏切られた気分になるのではないだろうか。
割引販売は一部、B級品・ワケアリ商品のみで展開するのが王道である。
3.商品政策→期間限定商品
通常商品ではなく、期間限定商品の品揃えを実施する。通常は扱わない別カテゴリーの商品でもいいだろう。イベント内容のシズル感・新奇性だけで集客をするのではなく、イベント内容と連動した実際の商品を品揃えることは重要である。基本的に顧客は商品を購入するために来店するのだから…。
さらに、その商品は「CRMの基本概念である、顧客との関係づくりに活用できる商品」であることが望ましい。商品を説明することがショップコンセプトの説明になる、または、顧客情報を聞き出しやすい商品であること等。
イベント時に好成績だった期間限定商品については、通常商品として品揃えることも検討する。この場合、新商品のテスト販売的位置づけになる。
 
 
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ヨークベニマル
「競合企業よりも‘顧客の生活変化’に着目」

  

「スーパーは競争が激しいと言うが、競争相手は同業他社ではなく、お客様の暮らしの変化だ」。「お年寄りが昔のものをまた食べたいという郷愁や、安心・安全に対する関心の高まりで、消費者が住む地域の産物や味に対するニーズはものすごい。」〈ヨークベニマル大高社長談。〉(出典:日経MJ2006.08.02)。
 
SISの視点−顧客情報会議
店舗ビジネスの場合、競合店舗が見えやすいので、顧客よりも競合店舗の状況(商品・品揃え・価格等)に意識がいきがちになるが、顧客とビジネスを行っている以上、基本的には顧客、特に既存顧客の動向に気を配ることが重要になる。
そこで提案したいのが、顧客の情報に特化した会議、「顧客情報会議」である。
顧客の購買アクションを見て気が付いたこと、顧客から直接聞いた話(クレーム・褒め言葉等)、顧客別購買データから分かったこと等、顧客に関する情報なら何でも発表していい、全般的な顧客情報を共有化する会議である。現場の生の情報は感覚的なものも多くが、数値に表れない情報も吸い上げる。
顧客情報をすばやくキャッチし、CRM顧客リレーションシップマーケティングを実施することで常に競合他社に先んじたビジネス展開が可能になる。

〈顧客情報会議の注意点〉
1.売上・目標数値に関するトーク排除
通常の会議で主目的である、売上目標・予算達成については、一切禁止。売上目標・予算達成について話し出すと、顧客情報は単なる言い訳のネタになってしまう。
2.現場スタッフが主役
通常の会議は上役が会議を運営したり、実質的に仕切るケースが多いが、そうなると最も顧客情報を持っている現場スタッフから意見が出づらい、言いづらい。現場スタッフ以外の者は発言を最小限に留める。
3.顧客情報カードの活用
折角気が付いたのに忘れてしまうケースはよくあること。大切な顧客情報を忘れないために、現場スタッフは「顧客情報カード」を身に付け、書いたらすぐに記入し、顧客情報箱に入れる。
 
 
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銀座伊東屋
「接客マニュアル排除」

  

銀座伊東屋(総合文具小売店)では、特別な接客マニュアルを用意していない。「マニュアル化は各店員の考える力を奪い、画一的な接客しかできなくなるために、あえて作らないことが方針となっている。」とのこと(出典:アイエムプレス2006.07)。
   
SISの視点−脱マニュアル=CRM接客
接客力向上を枕言葉によく実施されるのは、詳細なマニュアル化による接客の標準化。標準化(マニュアル化)は生産管理の世界で特に重要視される視点である。生産管理は相手がモノなので、究極まで業務の標準化を進めればいいが接客は違う。相手は人間であり、特別扱いを求めてくる日本人である。従って、本来CRMを志向しないファーストフード店等の接客ではマニュアル化が最適だが、他のCRMを思考する企業・店舗の接客においてマニュアル化はなじまない。
CRM顧客リレーションシップマーケティングの接客は、「顧客別接客×商品基準説明×親身な対応」の3つをコンセプトにする。

詳しく説明すると、
1.「技術」としての『顧客別接客』
顧客が店舗に来店した時に、名前・顧客ランク・購入額動向(最近の状況)等が接客スタッフに分かるようにすることで、顧客の状況に応じた接客が可能になる。この状況がないと接客スタッフはすべての顧客を掌握しなければならず、顧客別対応はほぼ不可能に近い。
2.「知識」としての『商品基準説明』
CRMの接客は自社商品の押し売りではない。また、そう思われないことが絶対条件である。自社商品を説明する際に、自社の商品特長を語ってはいけない。その代わり、基準を語る。その商品が他社商品と比べてどの部分がどんなレベルなのかお伝えすることで買う側の立場に近づくことができる。
3.「心構え」としての『親身な応対』
いくら論理的に説明が素晴らしくても、顧客は自分のこと親身になって考えてくれない販売スタッフから商品を購入するのは避けたいものである。挨拶等の基本的な接客技術にプラスし、親身な応対をすることで、顧客はその接客スタッフから離れられない。 
 
 

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セブンイレブン
「購入者向けスヌ−ピーグッズプレゼント」

 

東京都千代田区にあるセブンイレブンでは2006年7月初旬に、化粧品の売上が前年比1.5倍、デザート類は全国で一律10%伸びた。その原因は弁当や惣菜などの商品の得点シールを集めて1ヶ月で一定点数になるとスヌ−ピーをあしらったオリジナル食器と交換できるキャンペーンの効果である。スヌーピーグッズは人気は高いが実は関連グッズ販売店が少なく、希少性が高かった(出典:日本経済新聞2006.08.07)。
 
SISの視点−プレミアム(景品)選定
通常、CRM顧客リレーションシップマーケティング実施企業では購入金額に応じた還元を行っているが、主に現金・商品で還元する企業と、プレミアム(景品)を行う企業がある。現金・商品で還元する企業は、そのまま提供すれば問題ないが、プレミアム(景品)で対応する企業は、その選定が問題になる。
景品の方向には大きく下記5つに分かれ、単体と組合せとがある。
1.上質性=ほとんどの人が持っている・使っている商品カテゴリーの一流品(高級食器・高級バック)
2.希少性=通常の流通では手に入らない商品(地域限定の特産品・オーダーメード商品)
3.適時性=購入者が一部のマニアから一般世帯に普及している過程にある商品(大型液晶TV・デジタルオーディオ)
4.回顧性=かつて慣れ親しんだモノ、昔を思い出す商品(リバイバル商品)
5.体験性=ある特定のサービス体験の機会(温泉宿泊券・エステ無料券)
企業・店舗イメージを高める方向で選定することがポイントになる。また、景品提供の期限等がコミュニケーションのフックとなりマーケティング展開することもできる。
 
 
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大阪八尾市 百貨店「八尾西武」の熟年向けイベント 
 
大阪市の東側、河内地区八尾市にある百貨店「八尾西武」では、1F中央の休憩スペースを会場に演歌ライブを実施している。最初から300〜400人を集める盛況ぶりでその後月2回のペースで定例化している。「まずイベントで気軽に足を運んでもらい、従業員と顔なじみのお客様を増やしていく。それが買い物客に育ってくれれば」と高村有治店長は話す。演歌以外にも懐かしの映画上映など熟年向けイベントに力を入れ、昨年度の入店客数は前年1.5倍の620万人。売上高も21%増の216億円と3年ぶりの増収に転じた。
  
SISの視点−顧客情報ベースの現場接客
CRM(顧客リレーショナルマーケティング)は、顧客情報を入手し、その情報を基にアプローチするマーケティングメソッドのため、顧客情報がある顧客向けにしか実施できない。既存顧客からの紹介等も考えられるが、CRMは新規顧客リストの獲得は苦手なのである。
企業・店舗は、既存顧客の頻度アップ・客単価アップだけでは限界があり、継続的に新規顧客を獲得しなければ売上を維持・成長させることはできない。
積極的に新規顧客リストを獲得するには「八尾西武」のようにお客様の志向にあった集客イベントを開催することが不可欠。集客した顧客の情報を獲得し、CRMを展開していくことになる。集客しても顧客情報を入手できなければ、その後のアプローチができないために、集客イベントのマーケティング面からの意味は大きく失われる。
「集客イベント&リスト獲得=お客様の志向にあった集客イベントを開催し、集客した顧客の情報を獲得し、CRMを展開していく。」
 
 
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紳士服専門店AOKI高価格ブランド「ベルモーレ」の個人情報ベースの接客術 
紳士服専門店AOKIが1996年に始めたスーツの高価格ブランド「ベルモーレ」。接客面では顧客別提案力強化に取り組んでおり、2002年より「スタイリスト」の社内資格を導入、全国で400人が活躍している。中にはー人で年間2億を売り上げるスタイリストもいる。
大半のスタイリストが来店頻度や家族構成、購入商品の種類を詳細に書き留めたメモを作成。POSシステムでは捉えきれない個人情報を蓄積し、接客に生かしている。
  
SISの視点−顧客情報ベースの現場接客
今後、接客場面でも顧客情報の有無は接客レベルの向上を図る上で極めて重要になる。もし、顧客情報が無ければ、いつも同じマニュアル接客になる。数回利用した店舗で、新規顧客と同じように接客されるのは不愉快なものである。特にこれから市場の拡大が予想される団塊世代はその傾向が強いと考えられる。
また、現在行われているメモでの顧客情報の収集は、スタイリスト間で個人差が出てしまう可能性がある。マメなスタッフもいれば、そうではないスタッフもいるからである。現在メモで行われている顧客別情報をIT化し、顧客リレーションを自動化することが今後の課題になるだろう。
「顧客情報ベースの現場接客=顧客と直接接する販売現場で顧客情報を基に顧客別の接客を行うこと。」
 
 
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ザ・リッツ・カールトン「ホテルが提供するサービスはプロセスに過ぎない」 
ザ・リッツ・カールトン大阪、マーク・ノイコム総支配人は、「ホテルが提供するサービスはプロセスに過ぎない。私達のもてなしで顧客がハッピーになることが最終目的」と語る。リッツの魅力はミスティーク(神秘性)と呼ばれ、広く語られている。
 
SISの視点−商品・サービスの顧客価値
多くの人達の人生目的の一つは、心が幸せに、心地良くなること。その目的実現のために様々な商品・サービスを購入している。自らの企業・店舗・スタッフが顧客の心を幸せに、心地良くなってもらうために、提供する商品・サービスがどのように貢献できるのか、考えてみると接客・販売促進ツールの方向性がおのずと見えてくる。
「商品・サービスの心理的価値=顧客の心を幸せに、心地良くなってもらうために、提供する商品・サービスがどのように貢献できるのか考えてみることで見えてくる商品・サービスの価値。」
 
 
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資生堂「販売員の評価指標に顧客志向」を取入    
顧客本位徹底の一環として、契約化粧品専門店で顧客に接客を行う美容部員の評価制度を変更。従来は給与額の1/4を、各部員の販売金額・推奨商品販売数をインセンティブとして反映してきたが1/3の支社で全廃。かわりに店頭で顧客に渡すアンケートハガキの返信内容を反映する制度に変更した。
 
SISの視点−顧客評価基準
経営理念・経営戦略には「顧客主義」「顧客第一主義」を掲げている企業が多いが現場では販売金額・数量の指標のみで人事評価している企業が多い。今回のような顧客アンケートの内容を反映する等、顧客を基準にした評価基準を組み込むことで、バランスの良い、経営理念と合致した制度となる。顧客との関係性を深めるCRM(顧客リレーショナルマーケティング)では無くてはならない制度である。
「顧客評価基準=顧客を基準にしたスタッフの評価基準で、顧客との関係を深めた場合に評価が良くなるように設定する。」
  
  
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千葉ロッテマリーンズ「勝ちより価値」 
昨年133万人の観客動員を実現した千葉ロッテマリーンズだが、1980年代からチームの成績・観客動員は低迷が続き、一時は年間観客動員が60万人まで落ち込んだ。数年前から「勝ちより価値」とうたい、球場に足を運んでもらうこと自体をイベントにした。特に応援の面白さは他チームが模倣するほどで、ライブイベントと重なる。
 
SISの視点−顧客視点の来店価値
観客動員を増やすためにすぐに考えられるのが、選手を集めチームを強くすること。それは観客が「自分が応援しているチームが勝つ所を見に来ている」という前提に立った発想。それ以外の新たな価値を提供しようという新しい発想が上記の取り組みに繋がったと考えられる。
一般小売業でも、顧客が小売店に来る目的はなにか、「商品を購入するため」と限定していないか。他に新しい価値を提供することで、来店促進を図ることができる。来店頻度の向上は、結果として商品購入に結びつき、顧客シェアアップを実現する。
「顧客視点の来店価値=顧客の立場に立ち、理由を商品購入はもちろん、それ以外にも来店価値を提供すること。それが来店頻度を高め、結果として商品販売に繋がる。」
 
 

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へアサロン「RITZ」の改善ヒント 

美容業界の最先端を行くヘアサロン「RITZ」では、受付専用コールセンター&専用オペレーターを設置し(はじめての顧客には事前に担当デザイナーのプロフィールを送付)、パーマ・カラー待ちの場所には、RITZサービスマニュアル(サービス紹介・サロン紹介・スタッフ紹介を掲載)を設置している。この2つのサービスは美容業界では新しいサービスだが、実はホテルで行われているのを見て実施を思い付いた。
 
SISの視点−異業種学習
業界内で新しいマーケティングで成功している店舗・企業は、決して世の中になかった方法を実施したのではなく、異業種の手法をアレンジして自社に取り入れている。特に顧客リレーションについては、商品とは関わりの薄い分野なので異業種の手法が使えることが多い。
(他の異業種学習事例)
■座席指定&ポイントカード実施の「シネマコンプレックス」
座席指定はコンサートでは当たり前、ポイントカードはスーパーでは当たり前に行われている。しかし、通常の映画館では行われていない。今人気の小型映画館が集まったシネマコンプレックスでは、座席指定ができ、ポイントカードでお得になるマーケティング手法を採用している。
■ 「シューケアセミナー」を開催している「紳士靴店」
セミナー営業はノウハウ提供型の業界「コンサルティング会社」「PCソフト会社」「FC本部」では常識であるが、紳士靴のような分かりやすい商品は通常セール(割引販売)で集客することが多い。
しかし、この手法は通常時に商品が売れなくなり、利益率が下がってしまうケースが多い。今回のような啓蒙型の集客営業はその心配もなく、さらに消費者に対して専門店としての位置付けを明確に訴求できる。
■無料で直してくれる「美容院」
小売チェーン・通販では返品可能が常識。
しかし、美容室のようなサービス業では、サービスが気に入らなくても料金を払わなくてはいけないが、10日間以内で髪型が気に入らなければ無料で直してもらえるチェーンが出てきた。これは一種の返品サービスである。
■季節の催事販売に力を入れる「コンビニエンスストア」
地域に根をはり、売上を上げているブティック・呉服店・寝具店は、季節の催事に合わせた販売促進が常識。
しかし、コンビニエンスストアでは、定番商品の品揃え強化に重点的に力を注いできた。最近は売上のプラスオンのために、ひな祭りのケーキ販売、お中元、お歳暮等、季節の催事に合わせた販売促進に力を入れており、年々その成果が上がり続けている。
  以上のような事例は他にも多数ある。異業種を“違う業界のこと”と切り捨てるのではなく、積極的に取り入れることが同業他社との圧倒的差別化を実現する。同業の中でも発想やアイデアは差別化できたとしてもすぐ模倣されることが多い。
「異業種学習=自らの業種の枠を超えて異業種に目を向け、顧客リレーションについて観察。それを自社流にアレンジし現場導入することで、同業他社との圧倒的差別化を実現する。」
  
  
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 銀座老舗テーラーの接客術 
多くの著名人がひいきにしている老舗テーラー銀座「壱番館洋服店」。その婦人服オーダーメイド専門店舗「ビスポークギャラリー」は2005年11月に代官山から銀座へ移転したことを機に、接客場面でさまざまな改善を行った。例えば、一人のお客様を手の空いたスタッフ全員で接客したり、仮縫い中にお茶を出すとお客様が飲む頃にはさめてしまうためにお茶を出すタイミングを変えたりと、細かい改善を行っている。
 
SISの視点−マーケティング業務改善
日本企業が他国企業と比べて、一番優れている分野は生産管理の分野だろう。PDCA(計画・実行・検証・改善)サイクルが継続的に回り、日々精度を高めている。一方、ホワイトカラーの低い生産性が指摘されることが多い日本で特に遅れているのがマーケティング分野。マーケティング分野では精度の高いPDCA(計画・実行・検証・改善)サイクルが回っていることが極端に少ない。実施されているのは、プロジェクト単位の費用対効果測定である。しかし、それが次回の改善に結びつくことは少ない。
マーケティングも生産と同じように日々の活動である。スタッフ個々に任せるのではなく、しっかりと業務のアウトラインを示し、「マーケティング業務改善=顧客視点で業務を見直し、PDCA(計画・実行・検証・改善)サイクルでさらに精度を高めていくこと」で、アクション精度を高めることが顧客から選ばれるポイントになる。
  
 
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大型温浴施設「LaQua」のマッサージルームでのサービス後のアドバイス 
今人気の大型温浴施設で入浴サービスとともに人気なのがマッサージ。マッサージを終えた後には顧客にマッサージ師から、マッサージをしたことで体の状況がどうかわったか、簡単なアドバイスを個別に行っている。
 
SISの視点−接客場面での顧客啓蒙
顧客は商品・サービスを購入した後に、商品・サービスについて顧客を啓蒙することで、商品の価値を十分伝えることができる。顧客購入前はどうしても売り込まれるという想いが強いために素直に企業の話に耳を傾けてくれないのである。「商品・サービスを購入した後に商品価値を伝える=顧客啓蒙」は、顧客を育成するストーリーの中で重要な位置づけとなる。
残念ながら、大型温浴施設LaQuaでは顧客データの蓄積を行っておらず、顧客識別ができていない。マスマーケティングのみでは長期間安定したビジネスは実現しない。 CRM(顧客リレーショナルマーケティング)取組みの有無が今後の長期安定的な売上拡大の鍵になる。
  
  
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JAL接客場面で優良顧客への特別な対応を実施  

先日、大手メーカーからの依頼で地方講演を行う機会がありJALに搭乗した。J‐ランクで搭乗した所、飲料をお勧めされる際、名前を呼ばれた。また、隣の顧客はいつもJ−クラスで搭乗されているらしく、「いつも有り難う御座います。○○様」という言葉をかけられていた。多分、接客したキャビンアテンダントが同一人物なのではなく、企業として優良顧客に対応していると考えられる。
 
SISの視点−接客場面での顧客識別
優良顧客として特別に扱うことが顧客との関係性を深めるポイント。この接客を行うためには、接客する現場スタッフが「顧客識別=顧客に関する知“識”により顧客を区“別”して扱うこと=実務的には優良顧客を見分ける」状況を整えることが不可欠になる。
航空業界は以前からマイレージサービスによるFSP(Frequent Shopper Program=高頻度客向けプログラム)が積極的に行われている業界。日本と米国の文化の違いから、日本でのFSPはポイントサービスで利用されており、単なる割引サービスに過ぎない。割引はもっと割引率の高い競合が現れた場合、容易に顧客を奪われてしまう。
上記のように接客は、経済的特典でないが、心理的特典を提供してことになる。
そして接客場面だけではなく、その後も顧客を育成するストーリーが展開されているかが顧客育成実現のポイントになる。
 
  
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「有力地域家電店」の集客商品&利益商品
この家電店には冷蔵庫・洗濯機の店頭在庫はなく、蛍光灯・電池・ビデオテープ・乾電池等の生活必需品が並ぶ。価格は量販店に負けない価格設定。1日客数は100人。小物で集客し、冷蔵庫・冷房等の高単価商品の販売につなげている。
 
SISの視点−集客商品
一般的に購入頻度の低い商品を扱っているお店は、顧客との接触も自然と少なくなり、次回購入は別の店舗で行われてしまう場合が少なくない。今回の家電はもちろん、自動車・家具・住宅も同じような傾向がある。購入頻度の高い商品、単価の安い商品を低単価で積極的に販売していくことで、顧客との関係性を維持し、高額商品の次回購入を確実に獲得していく。すべての商品から利益をとろうとするのではなく、「顧客との関係性を維持する=集客商品」と、「利益を獲得する=利益商品」を区別して考えることが必要である。
 
 
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「進研ゼミ」対面型地域密着マーケティングへ変換
不特定多数に一律のDMを送る販促手法から、地域密着の対面型マーケティング(ショッピングセンター・テーマパーク・商店街でのイベント開催等)へ転換を図っている。地域とのパイプづくりへ昨春から地域営業推進本部を設けた。
 
SISの視点−地道エリア作成
教育業界ではターゲットへのDM送付は以前、費用に見合う効果があったが、最近は多数の企業が実施しはじめ、反応が落ちているようだ。この情報洪水が進む中、DM送付といった一方的な手法では限界がある。やはり、リアルな場での接点との組み合わせが不可欠になる。情報化社会が進めば進むほど、リアルな場での接触の必然性が増すのである。
 
 
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「松下電器」系列店、接客と問題解決に商機
低価格を求める人は量販店・ネット通販に購入すればいい。松下系列店(街の家電店)では使い方・楽しみ方の説明、故障したらすぐに急行するサービスを求める客を獲得しており、高額品のプラズマテレビ等に限っては系列店が売上全体の50%を占める(全体では量販店80%・系列店20%)。将来的には、リフォームを含めた住総合ビジネスを目指す家電店を育成していく。
 
SISの視点−非価格価値
低価格戦略で成功している企業は、一般的に大きな市場シェアを獲得しているので目立つ。消費者は価格のみを選択基準にしていると錯覚してしまうことがあるが、嗜好品の市場では「価格以外の価値を重視する消費者」が必ず存在する。大規模な投資を必要とする低価格戦略をとれない中小企業は、「価格以外の価値を重視する消費者」をターゲットに事業展開することが必要。このターゲットに向けてどんなサービスができるか、何を求めているか真剣に考えるといい。このマーケットは高利益を獲得できる場合が多い。
 
  
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「西友 沼津店」手作りイベント連発で継続的大量集客
ウォルマート式年末年始の手作りイベント22連発をスタッフのアイデアで実施。短い期間で極力コストをかけずに来店客に楽しんでもらう。価格でお祭り感を出せない代わりにイベントで楽しんでもらう。2005年元旦には「新春初夢抽選会」「干支せっけんプレゼント」「子供向けパンチングボール配布」「おもちゃの福袋」「惣菜詰め放題」等を実施。
 
SISの視点−イベント連発
「イベントをやって集客しよう」と考え、いざアイデアを出して検討していくと、コストがかかるイベントを考えてしまい、予算がないからと言って結局実施されないことがある。コストをかけずに顧客が楽しめるイベントはなにか、複数のスタッフで考えるべき重要な問題である。また、イベントはお祭り的な発想もいいが、比較的コストがかからない「セミナー等の啓蒙イベント」を提案したい。どんなお店も当然一般消費者よりも専門知識を持っているはず。専門知識のアピールは、一般消費者から自店への一種の尊敬につながり、価格以外の価値として認識してもらえる。
 
 
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「大手旅行代理店」1時間で400万円の絨毯販売

トルコのツアー旅行最終日の絨毯土産販売店で、わずか1時間で400万円分の絨毯をツアー客に購入させた。秘密は、旅行中にトルコの歴史、歴史に絨毯が果たしてきた意味・役割をツアー中丁寧に説明し続けること。
 
SISの視点−ストーリー
日用品と違い、嗜好品は単純にモノが欲しいから購入するのではなく、そのモノを使って実現する生活を購入する。嗜好品の販売は商品の性能・機能より購入による心理的満足をいかに想像してもらえるか・・・それが最も重要である。
 
  
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「ネット繁盛店」売れるネット接客術
ネット販売において個別メールのやりとりが接客。きめ細かくすることで好感度獲得。「さて、お荷物をご発送いただいてから、少しお日が経ちましたが、無事お手元にお届けできましたでしょうか?」等、丁寧な文章のメールを送ることで顧客は安心して購入することができる。
 
SISの視点−ネットリアル接客
ネットの世界はややもすると、デジタルなイメージが先行し、ヒューマンな要素を忘れがちになる。ネットでは顧客と顔を合わせる機会がないので、個別メールのやりとりが店舗販売でも接客とイコールなのである。紋きり型の表現にせず、相手のメールのテンションや年齢に一つ一つ合わせて返事を書く必要がある。店舗でのリアルな接客より手間がかかる・・・。
 
  
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「JCB」消費心理学、顧客を9分類して情報誌発行

顧客をアンケート調査で9つに分類。その分類に基づいて情報誌を発行。内容は、もちろん、配色レイアイトまで変更。温泉旅行キャンペーンなら、伝統志向の会員には縦書き、黒字の明朝体で初夏の風情を感じる落ち着いたデザイン、家庭を重視する人には横書き、ポップ調の書体を使い全体的に柔らかい雰囲気を演出している。誌読率60%上昇、カード利用額5%上昇、退会率20%下落を達成。同時に優良会員へに集中販促も実施。JTBでは上位2割の顧客が会社全体の9割の利益をもたらす構造になっている。
 
SISの視点−個客伝達
ひと昔前までは情報提供それ自体が新しい試みだったが、現在の情報化社会の中では、顧客に合った情報提供が出来なければ、購読してもらえず、そのままゴミ箱へ・・・。顧客に合わせた情報提供に加え、手書き・イラスト等によるヒューマンタッチな要素を組み合わせることでさらに購読率を高めることが可能になる。中小企業においてはこちらの要素の方が購読率上昇に役立つ場合が多い。
  
  
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「ボウリング場大手 ラウンドワン」上達法収録DVD配布
ボウリングの上達テクニックをドラマ仕立てにして2種類のDVDを作成。1枚目は会員登録した客にボウリング場で渡し、同封の引換券を持参して次回ゲームを行うと2枚目を進呈する仕組み。
 
SISの視点−アニメーション訴求
文字より図、図より動画、の方が情報伝達能力で考えると圧倒的に違う。DVD市場の広がりにより手軽に動画ツールを配布できる状況になった今、販促での活用が広がる。
購入後の操作手法や活用法を季節に合わせてDVDで送付していくと、次回購入も期待できる。コストの問題があるので、単価5万円以上の商品では特に、実施したい手法である。
 
  
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「松下電器」全開型冷蔵庫、大人気
成熟市場である冷蔵庫は店頭価格の下落を待って、販売量が増える「遅咲き型」の商品。そんな中、20万円を超える「NR-F401A」「NR-F461A」が好調な売れ行き。その原因は「10センチの構造改革」。野菜室・冷凍室の引き出しを全開できるようにした。冷蔵庫内の死角をなくした。
 
SISの視点−主婦感覚
たかが10センチだが、毎日使う主婦にとってアピール度満点である。成熟市場ではこのような一見地味な一工夫が競合商品との差別化ポイントとなり、販売実績に大きな影響を及ぼすのである。
  
  
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「ブリジストンスポーツ」ゴルフ市場で女性に的、知恵絞る!
練習場・ゴルフ場での女性限定の試打会を積極的に展開。爪にマニュキアなどをぬって整えるネイルサービス、ワインの試飲会を開く。女性向けゴルフ関連グッズの品揃えを強化し、ゴルフ場での販促活動に力を入れ始めている。
 
SISの視点−新女性ターゲット
女性向けのサービスの重要性は、外食産業・百貨店事業では常識。男性客中心のゴルフ場でも女性向けサービスの体制をとることで男性が少なく、空いていた平日の集客強化につながっていると予想される。ゼロ成長時代において売上アップを実現している多くの企業は、同業他社に比べて「新しいマーケティング手法」を取り入れている企業。その手法は決して世の中になかった方法ではなく、異業種での成功手法を取り入れている。
  
 
   
 (バックナンバー:表題のみ掲載)
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豆腐行商のターベルモード「高齢者との他愛のない会話でリピーター獲得」
2006.08.04.fri
アートネイチャー「問合せ→営業→サービスの各段階で顧客情報を入力・更新」
2006.08.02.wed
カネボウ化粧品 ドルティア「初回来店時の無料サンプル」
2006.07.28.fri
呉服専門店やまと 新業態なでしこ「20代スタッフによる接客」
2006.07.26.wed
ミレニアムリテイリング (旧西武百貨店)「優良顧客向け販売会拡大」
2006.07.21.Fri
ロッテリア「販売現場の気付きメモ」
2006.07.20.thu
携帯電話向けサイトニュースin新宿  「エリア店舗の来店促進情報満載 」
2006.07.12.wed
京急百貨店「50・60代へのおもてなし接客」
2006.07.07.fri
自動車ディラー「携帯メール販促」
2006.07.05.wed
関西スーパーマーケット「お得意様への割引拡大」
2006.06.30.fri
大丸札幌店「販売プロセスの数値化」
2006.06.28.wed
九州のドラッグストア コスモス薬品「特売やポイント販促はお客をだます手品」
2006.06.23.fri
玉川高島屋ショッピングセンター「駐車場サービス インフォローズ」
2006.06.21.wed
京王百貨店「自社顧客のマッピング」
2006.06.16.fri
書籍販売チェーン ヴィレッジヴァンガードコーポレーション
「本部は現場の邪魔をしない」

2006.06.14.wed
丸井「セール時の顧客アンケート」収集
2006.06.09.fri
世界最大の家具小売チェーンIKEA「低単価グッズ」
2006.06.07.wed
高級車レクサスショールーム来店客への「継続DM」
2006.06.02.fri
日本最大大型温浴施設湯巡り万華郷「大正湯巡り倶楽部」スタンプカード
2006.05.31wed 
伊勢丹浦和店「相談コーナー&ゆったり空間づくり創出」
2006.05.26.fri 
米国化粧品ブランド ドゥ・ラ・メール「優良顧客向けスイートルーム接客」
2006.05.24.wed 
キャノンデジタルカメラEOS5D 「キャノンフォトサークル会員向け特別セミナー」
2006.05.18.fri 
ソニーデジタルカメラ Cyber shot「購入顧客に活用法小冊子プレゼント」
2006.05.16.tue
ディズニー・インスティチュートが考える 「ライフ・タイム・バリュー」
2006.05.12.fri 


  
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上記コラム主要参考文献
■増販増客の方程式、増販増客マーケティング実例集、増売拡売大辞典他 (高橋憲行著) 
■売れる仕組み、ONE TO ONEマーケティングQ&A100他 (服部隆幸著) 
■ONE TO ONE実践導入ガイド、ONE TO ONE企業戦略(ドンペペーズ/マーサロジャース著)
■CRM白書、CRM支援市場総覧他(アイ・エム・プレス)
■日本経済新聞、日経MJ、日経ビジネス、販促会議他
※その他多数の文献を参考とさせていただいております。
  

 
 
 
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