コンサルティング・事例

ファン育成

ファンづくりを全社的な取組で進めるために、SISではコンサルティングサービスをお届けしています。企業・組織の目指すファン育成の姿(ゴール)を具体的にイメージして、そのゴールに近づくために、総合的にファン育成を進めています。企業・組織のファンづくりに関わって約20年になりますが、その経験上、企業・組織としてのファンづくりにとって重要なのは、「接客・営業」「人材育成」「チーム・組織」「ブランディング」「CRM」「集客」の6つの要素です。

人を中心としたファンづくりのコンサルティング

1. 人(お客様)の感情を動かす!「接客・営業」

「人を中心としたファンづくり」で最も重要なのは、皆さんご存知の通り、お客様とダイレクトに接する「接客・営業」です。お客様には、「人材育成」「チーム・組織」「ブランディング」「CRM」「集客」は、関係がありません。「接客・営業」が今一歩の場合、その他の要素が進んでいても、それほど意味がありません。お客様がファンになるかどうかに、決定的な影響を与えるのは「接客・営業」です。「接客・営業」のために、「人材育成」「チーム・組織」「ブランディング」「CRM」「集客」が存在すると言って過言ではありません。

2.人(スタッフ)のスキルを向上させる!「人材育成」

「接客・営業」は、お客様と接するスタッフ一人ひとりが行うことです。一人ひとりのスタッフの能力を向上させる、人材育成がファンづくり推進の原動力になります。教育プログラム(Eラーニング含む)とOJTの組み合わせで実践を進めて、1on1などのフィードバックで人材を育成します。ファンづくりのスキルを定期的に確認する人事評価が加わると、根付きやすくなります。

人材育成の対象は、若いスタッフからスタートしつつ、ベテランスタッフも含めて全スタッフで進めます。お客様はどのスタッフに当たるか分からないからです。

3.人(スタッフ)が働きやすい・成長しやすい環境を整える!「チーム・組織」

スタッフ一人ひとりは、自分だけで働いているのではなく、チームの一員であり、組織を構成する1人です。スタッフが行うファンづくりは、チームの中での良好なコミュニケーション、組織の後押しを受けられるかによって、大きな影響を受けます。

チーム・組織は、スタッフ一人ひとりのファンづくりの土台になっています。チームは現場リーダーのスタッフへの共感・共振・共有が、組織は事例(ナレッジ)の共有がポイントになります。

4.人(スタッフ)が持つ力を集める!「ブランディング」

ファンを一定以上増やしていくためには、お客様にもっと好きになってもらう、現場リーダー・スタッフ一人ひとりの力を集約する必要があります。そのために有効なのが、ブランディングです。

ブランディングは、ブランドの定義づけを行い、行動基準であるクレドを描き、理想の姿の幅を狭めることで、人のパワーを集めることができます。ブランドを明確にして、お客様・ファンにブランドを感じてもらえるように、活動を見つめ直し、前に進めると、ファンづくりはより強くなります。

5.人(お客様)の動き(購買行動)を数値で確かめる!「CRM」

ファンづくり、ブランディングが、どこまで進んでいるのか、数値で進捗を確認するには、個客(お客様一人ひとり)単位で分析する必要があります。それがCRMです。

ファンづくりには4つの理想があります。「1.お客様がファンに育つこと」「2ファンが離れないこと」「3.定期的・継続的に買ってくれること」「4.複数の商品を買ってくれること」です。そんなファンづくりの理想を、顧客数をベースに分析します。本部では、「顧客の数/割合」が、現場では「個客(お客様一人ひとりの名前)」の把握がポイントです。

6.人(お客様)の感情を動かせる場に呼んでくる!「集客」

お客様との接客(営業)回数・頻度が多いほどに、ファンづくりは進みます。CRMで分類した顧客に、「アナログ(DM・レター・チラシ・リアル広告など)」と「デジタル(メール・メルマガ・MA・SNS・LINEなど)」の両面で集客します。リアル、デジタルどちらにしても、費用対効果が重要です。

皆さんご存じの通り、SNSは関心が多少薄くても多くの人にお知らせするのに有効です。一方でSNSの効果が弱い業種もあります。単価の高いビジネスにとって、顧客層の上位(ファン)に向けたDM・レターは、費用対効果が高いことが多いです。

人が中心になる「ファンづくり」

「接客・営業」は人(お客様)の感情を動かすこと、「人材育成」は人(スタッフ)のスキルを向上させること、「チーム・組織」は人(スタッフ)が働きやすい・成長しやすい環境を整えること、「ブランディング」は人(スタッフ)が持つ力を集めること、「CRM」は人(お客様)の動き(購買行動)を数値で確かめること、「集客」は人(お客様)の感情を動かせる場に呼んでくることです。ファンづくりは、人が中心になることが、お分かりいただけると思います。

SISの「人を中心としたファンづくり」のコンサルティングでは、6つの要素をベースに、ファンづくりの改善点をディスカッションする所からスタートします。実際にファンづくりを進める際も、各企業の現場の状況、組織、教育システムによって、進める要素、進める順番が変わります。企業として総合的に取り組んでいきます。

コンサルティング事例

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モーターサイクル業界A社

背景

  • バイク(自動2輪車)業界は、約30年前からマーケットが縮小を続けており、バイクの販売台数は1990年の約1/4。そんな中で、A社は安定的な販売台数アップ目指していた。
  • 魅力的なニューモデル(新商品)が出た時は売上が一気に上がるが、そうではない場合、売上を下げてしまうか、割引販売で利益を減らす状況だった。
  • 顧客体験については、はじめての来店時の対応、既存客のフォローがある顧客層に偏っている所に改善点があった。
  • リーマンショックがあり、バイク業界も他業界に漏れず、ドン底と言っていいタイミングでのプロジェクトスタートだった。

コンサルティング概要

  • 当初は5名のプロジェクトメンバーで開始し、顧客戦略の基礎的な考え方を共有。(その後、各支店の営業責任者が加わりプロジェクトメンバーは12名に)
  • 販売店10店に訪問し、現場リーダーにインタビューを実施し、ファンづくりの現状を把握。
  • 数値で測れる理想的な顧客を決定し、顧客育成ピラミッドを構築。同時にゴールメッセージも構築。
  • カスタマージャーニー/ストーリーを作成。作成する中で、プロジェクトメンバーそれぞれが描く理想的な未来像が近づいた。
  • 今までの同業種の成功事例、異業種の成功事例を結合させて、ありきたりではない活動マニュアルをゼロから構築。
  • そのマニュアルをベースに、教育プログラムを展開し、顧客接点でRPDCを廻し続けた。
  • 各店の実践事例を随時共有していき、自店の活動を改善。マニュアルも改善し続け、教育内容を進化。
  • リーダーは教育に参加しているが、教育に参加していないスタッフ向けに担当営業マンによる勉強会を実施。あまなく情報を伝達。

効果

  • これからのモーターサイクルショップの新しいファンづくりの姿を構築することができた。
  • 教育プログラム期間のプロジェクト参加店と、参加していない店舗の販売台数を比較すると、参加店の方が大きく数字を伸ばした。顧客戦略を進めると販売台数アップに繋がることが分かった。
  • 2009年からはじまったプログラムは海外展開も含めて、2019年まで10年間プログラム展開されて、多くの顧客接点の改善に役立った。

経営層・本部・担当営業・顧客接点(店舗)のリーダー・スタッフが、同じゴールに向かって一緒に歩むことで、多くの顧客接点に新しい顧客接点の文化を醸成することができました。そして次世代の大規模な流通施策にバトンタッチできた顧客戦略のプロジェクトでした。このプロジェクトを通じて思ったのは、ファンづくりをすすめるには、一定に時間をかけて全社的にOne Teamで取り組んでいく大事さでした。

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スポーツジム業界B社

背景

  • 生涯顧客という顧客戦略のゴールはプロジェクト前からあり、そのための顧客接点の活動はOJTで伝えられていた。具体的な活動の内容は、店長や各店の判断に委ねられていた。
  • 各顧客接点の顧客体験は、素晴らしい場面があったが、一方で顧客の期待が高いことから、クレームになる場面もあった。
  • 店舗数の拡大、トレーナーも増加していて、個性は大事だが統一感のある活動が顧客数の安定的な拡大、ファンづくりのさらなる推進に必要になっていた。
  • このプロジェクトを通じて、本部スタッフがファンづくりを自ら推進し、顧客戦略を廻していくスキルを身に着けることが社長の希望だった。

コンサルティング概要

  • CRM部8名でプロジェクトを推進。顧客戦略の基礎知識を共有。
  • ファンづくりについて、顧客接点を担うスタッフ全員にアンケートを実施し、現状を把握。
  • 顧客接点のリーダー・スタッフが具体的に未来がイメージできるカスタマージャーニー/物語を構築。
  • 顧客接点の活動テーマを洗い出し、そのテーマ別に顧客体験の改善点を出して、活動マニュアルをゼロから構築。
  • そのマニュアルを使って、プロジェクトメンバーが各店舗でセミナーを実施。実施前に台本を作成。
  • セミナーを受けたトレーナーがマニュアルの中から自らの改善活動を選んで実践。自分自身の振り返りはもちろん、プロジェクトメンバーからも一人ひとりのトレーナーにコメントを届けた。
  • 全ての実践事例を全トレーナ―が参加するセミナーで共有し、これからの活動のモチベーションアップに繋がった。

効果

  • 企業として顧客接点の基本的な活動を決めて、全顧客接点で同時にファンづくりを実践することができた。
  • 各顧客接点での教育を実施し、各トレーナーが実践した結果、クレームの数が約半分になった。
  • このプロジェクトがスタートしたのは、事業スタート丸2年のタイミング。今、売上は4倍になっている。このマニュアルは改変を繰り返しながら今も活用されている。

プロジェクトが終わって数年が経ちますが、このプロジェクトを通じて生まれたマニュアルは、社内メンバーによる改編を繰り返しながら、現在でも使われています。コンサルタントが入るプロジェクトは、その期間は動いても、期間が終了すると、内容の推進・作成したマニュアルも活用されないことがありますが、クライアントに主体的に関わってもらえれば、もらえるほどに、プロジェクトが現場で生き続けことを実感しました。社長の最初のオーダーである「お客様が育っていく仕組みをウチの社員が中心になって創っていくプロジェクトにして欲しい。」その期待に一定レベルで応えることができたかなと思えたプロジェクトでした。

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メガネ業界C社

背景

  • 将来予想される人口減によるメガネ需要の低下と、Zoff、JINS等の低価格ショップ・全国展開のメガネチェーンとの競争が激しくなっている。
  • 個々の店長・スタッフには、ノウハウがたくさんあったが、書面化されていなかったので、企業としてどんな活動がベーシックなのか、あいまいな部分があった。
  • 今まで固定客育成を進めていたが、これからもっと完成度を高めてファンを増やす必要があった。

コンサルティング概要

  • プロジェクトのメンバーは、営業部門のトップ、販促部門のトップ、商品部門のトップ、各県の営業部長、他部門の責任者を加えて約15人のメンバーで推進。
  • 顧客接点(各店舗)のリサーチを3日間に渡って実施し、現状を把握。
  • ゴールメッセージは「10年顧客」。10年間ずっと通い続けるくれるファンを増やすことに決定。
  • 経営理念と顧客戦略を論理的に繋げて、双方の位置づけを明確化。
  • 「共感・共振・共有」を軸に、顧客接点の心掛けを構築。
  • 顧客接点の実務ノウハウを活動マニュアルとして見える化・体系化。初級・中級・上級に分けて、全152項目に集約。
  • 活動マニュアルをベースに台本を作成。プロジェクトメンバーが講師になって教育プログラムを展開。
  • 各顧客接点で、各スタッフのRPDC(現状評価?計画?実践?振り返り)を展開。
  • 全事例・優秀研究事例を共有。半期に1回、成果発表会を実施。
  • NPSを実施して、顧客戦略の効果を検証していく取り組みがはじまっている。

効果

  • Sランク、Aランク、Bランクといった上位ランクの顧客数が増えていることが分かった。
  • 顧客接点のリーダー(セミナー参加者)に10年顧客のファン育成のスキルが上がったかアンケートで聞いた所、殆どのリーダーが効果があると答えた。
  • 全社的な取り組みを進めるために、顧客戦略の推進項目を人事評価制度に組み込む計画が進んでいて、さらにファンづくりの意識アップ、実践が期待できる。

ゴールメッセージが今一歩入らない言葉だったり、パワーがなかったりすると、プロジェクト自体の求心力がどうしても弱くなります。10年顧客というゴールメッセージがプロジェクトが進んだ大きな要因になっています。ゴールメッセージは、分かりやすく、イメージがわきやすい、どこか少し懐かしい、アルファベット3文字ではなく、できるだけカタカナを使わない原則に伴って決めたことが大事でした。

laundry

クリーニング業界D社

背景

  • クリーニング業界は最近20年で市場が約半分になっている。
  • 企業理念のもとで、ファンを安定的に増やしていく取り組みを模索していた。
  • 社長の判断で、当初から顧客戦略のプロジェクトが3年計画でスタート。

コンサルティング概要

  • 社長・取締役・本部スタッフ・顧客接点のスタッフを合わせて、8名でスタート。
  • 3店舗で開店前の準備~閉店の後片付けまで取材を行い、顧客接点の現状を把握。
  • 元々あったクレドの見える化を推進。解説文・解説動画をネットで配信。クレドをベースにした活動を各顧客接点で実践。
  • カスタマーストーリーを作成。スタッフ全員が読んで感想文を提出。思考の変化を促す。
  • 長年積み重ねた接客ノウハウをプロジェクトメンバーが主体となってテーマ別にマニュアル化・動画解説も実施。
  • マニュアルから自店の課題を顧客接点のリーダーに選んでもらい、スタッフと一緒に実践。
  • 実践事例から優秀事例をプロジェクトメンバーが選び、各顧客接点にマニュアルの実践事例として提供。
  • 同時に各顧客接点でファンづくりがよりスムーズに進むように、チームワークの醸成を推進。

効果

  • 経営・本部・現場統括がOne Teamになって、1つの仕組み、体系として顧客戦略を進めることができた。
  • 顧客戦略のみの効果ではないが、プロジェクトスタートから2年間、企業全体として利益額アップが実現。
  • クレド・活動マニュアルの理解・実践が、顧客接点のスタッフにまで以前よりも行き渡るようになった。

今の時代のファンづくりに欠かせないネット戦略は、1年目の6月からスタートしました。まず2020年までに50本のブログをアップすることを決めて、順調に進んでいます。ブログの拡散を狙いに、2年目からは「インスタ」「ツイッター」「フェイスブック」を同時にスタートしました。7月からは「メルマガ」を「LINE」に変更し、さらに「ツイッター」は全店でスタートし、ネット戦略が進んでいます。

ご契約お問合せからプロジェクト実施までの主な流れ

1. お問い合わせ

お問合せフォーム、またはお電話(03-6231-1885)にてお問い合わせ下さい。

2. ご相談・打合せ

ファンづくり・顧客戦略について、御社の現状・これからの改善テーマについて、ざっくばらんにお話しができればと思います。
ご希望を頂けましたらコンサルティング計画を立案して参ります。

3. コンサルティング計画およびプロジェクト内容のご提示

ご相談内容を踏まえて、ファンづくり・顧客戦略をどのように進めた方が良いのか、書面でご提案します(御見積書も添付)。ここまでは料金はかかりません。

4. ご契約

秘密保持契約およびコンサルティング契約書を締結致します。

5. プロジェクト実施

実際にプロジェクトを実施いたします。