
山形県にある「古窯」という温泉旅館に、家族で2泊3日してきました。
【プロが選ぶ日本のホテル旅館100選】で40年以上連続トップ10の旅館です。
スタッフさん、仲居さんの動き・声掛け・会話は積極的で、人間味のあるものでした。
「古窯」で私が体験した顧客サービス・接客
〇出迎え時
- 到着してバスから降りた瞬間に、さっと荷物を持ってくれました。
- お部屋まで運んでくれて、その間の会話は説明というより楽しくなるような、
高めの声のトーンでした。
〇休憩
- 宿には芸能人が文字を書いたお皿が飾ってあるのですが、チェックインまで眺めていると、
「ゆっくりお過ごしください。」など優しい声掛けを積極的にしてくれます。
〇夕食時
- カメラをお願いすると「もちろんでございます!」という積極性を感じる一工夫ある言葉をもらいました。
- 宿の近くのパワースポットの話をしていた時、私が「何か良いことありましたか?」と聞いたら、
「実は私、彼氏ができたんです」と個人的なお話をしてくれました(笑)。
〇朝食時(バイキング)
- おすすめの納豆を、地元を切り口にしたトークで紹介してくれました。
- カレーゾーンをうろうろしていると「ご飯、必要ですよね!」と小走りに駆け寄り、
ご飯を盛ってくれました。
従来の日本旅館の接客スタイルと違う
日本旅館のおもてなしというと、
「一歩下がって…」「察して…」「お客様から見えないおもてなしが素晴らしい」
という点が重視されることがあります。
しかし「古窯」では良い意味で、
「とりあえず、お客様に伝える、投げ掛ける」という積極性を大事にしていました。
「とりあえず」と聞くと、お客様のことを考えずに対応しているように感じるかもしれません。
ただ、ここで伝えたいのは「リスクを考えすぎて体が固まり、動けない、声を掛けられない…
そんなことにならないように一歩前に出る」こと。
その考え方を“とりあえず”という言葉に込めました。
「お客様を把握する」とよく言われますが、
相手のことを1から10まで把握するのは現実的には難しいですよね。
だからこそ「とりあえず、積極的に動く」という視点は大切だと思います。
リスクはあっても、動き・声掛け・会話の量が増えることはお客様にとって嬉しいのです。
軽井沢のホテルで、子どもにも積極的な接客
旧軽井沢に家族旅行で行った時のことです。
このホテルでは、小さい子どもにも積極的に話しかけてきます。
「食いしん坊だねー」「何がおいしかった?」と、子どもにフレンドリーに話しかけていました。
やらなければやらないでOKですが、積極的に接してくれることで嬉しく感じました。
また、朝食のヨーグルトを「美味しい」と伝えたら、
料理長がヨーグルトの会社と共同開発した話を聞かせてくれました。
お客様から具体的な要望がなくても積極的に話しかける。
それはリスクもありますが、スタッフ全員が意識して取り組むことで、
「人が接客する意味」を作っていると感じました。
ハードを補う接客力、その秘密はクレドに
今回の「古窯」は、必ずしも設備が完璧なわけではありません。
室内はリニューアル後でキレイですが、外観や大浴場は老朽化を感じる部分もあります。
それでも私は「また行きたい!」と思いました。
人の力はやはり絶大です♪
調べてみると、古窯にはクレドがありました。
「迷ったら、お客様の記憶に残る方へ」
「背中より言葉で伝えよう」
積極的に声を掛け、言葉で伝えることを大切にする文化があり、
スタッフ同士の教育・コミュニケーションにも根付いているようです。
伝統的な日本旅館の形式でありながら進化を続けているからこそ、
【プロが選ぶ日本のホテル旅館100選】で40年以上連続トップ10に選ばれているのだと思います。