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Vol.27 売場と顧客戦略

売場と顧客戦略

顧客戦略が増える企業は「売場においてお客様がずっと通い続けるために必要な点を押さえている」、たどり着けない企業は「一つひとつの売場自体に問題ないが売場でずっと通い続けてもらう視点を持っていない」

前回のVol.26では、顧客が安定的に増える「接客」について、顧客戦略のリーダーが持つべき視点をお届けしました。今回は「売場づくり」について同じくリーダーが持つべき視点についてお話します。

顧客戦略のリーダー中には、「売場」は基本的には現場に任せているという考え方がありますが、会社として顧客を安定的に今よりも増やしていくために「売場」もリーダーの目が入ることが重要です。お客様がずっと通い続ける可能性が高くなるからです。

お客様にずっと通い続けてもらうために、リーダーは、どんな視点で「売場」を見つめることが大事なのでしょうか? 3つの視点があります。

視点1:同業の優秀店と売場を比べる

お客様が10年通うかどうか決めるお客様との接点は、大きく「接客」「売場」「ツール(リアル・デジタル)」「イベント・販促」という4つの要素に分かれますが「売場」だけが唯一、お店に行くだけで大方分かります。
「接客」はスタッフによって違いますし、「ツール」「イベント・販促」は年間を通じてどんなことをしているのか、どんな個別対応をしているのか、お店に行っただけでは、殆どわからないのとは違います。

「売場」はリーダーによる「同業の優秀店との売場比較」を実施する意味が大きいです。「同業を見ても新しい視点は見えない」こともありますが、こと売場に関しては、同業の優秀店を丁寧に見ることが大事です。

どのように「同業の優秀店比較」を行うかというと、売場の基本項目(ex.「外観・看板」「店前VMD」「店内VMD」「定番売場」「壁面」「POP」「ボード」「レジ周り」)に沿って、自店レベルを5段階評価の3と決めて「同業の優秀店」を評価します。それによって、自店の改善点が見えてきます。コストを掛けても大きな売場リニューアルをするべきだと考えることもあるでしょう。
ポイントは、売場の基本項目を頭に入れて、自店を3で捉えて比較することです(ココ、大事です!)。

売場リニューアルはコストがかかるので、顧客戦略のリーダーが決めることです。適切なアイデア・タイミングは「同業の優秀店との売場比較」を定期的に行っているかが鍵になります。稀に同業の優秀店をあまり見に行かないリーダーがいますが難しい状況になります。部下から新しい売場の提案があっても、お金がかかる等の理由で改善が滞ることが多いからです。

視点2:スタッフのモチベーション維持のための売場の模様替え

売場の変更は、お客様が飽きないようにという視点では、VMDの計画的な実施・変化等、すでに取り組んでいると思いますが、ここでお伝えするのは、店長・スタッフに新鮮な気持ちでより仕事に取り組んでもらうために、定期的に売場を模様替えすることです。同じお店で働いているとどうしても、マンネリ化してしまいます。一緒に働いているメンバーも変わらない場合も多いからです。

壁面の色を変える、什器を移動する、動線を変える、入口周りを変える、レジの場所を変える等、売場を模様替えすると、店長・スタッフの気持ちが変わります。モチベーションの維持に繋がります。お部屋の模様替えで気分が変わるとの同じです。

売場を変えるので、お客様にとって分かりづらくなることもありますが、それがキッカケで、スタッフとのコミュニケーションのキッカケにもなります。

視点3:共感・共有の視点で売場の完成度を年々上げていく

お客様との「共感・共有」が重要というお話をVol.6でしましたが、
売場の要素である「外観・看板」「店前VMD」「店内VMD」「定番売場」「壁面」「POP」「ボード」「レジ周り」のそれぞれの場所において、以前と比べて「共感・共有」のレベルが上がっているのか、確かめます。この視点を経営側が持つことで、時代を捉えた売場が自社内で広がっていきます。

売場における共感・共有とは、人の想いが見える化されていることがポイントになります。具体的には「スタッフの顔イラスト付きおすすめPOP」「お客様の声POP」「ランキングPOP(理由付き)」「自店特徴ボード」等です。人の想いが見える化されている売場は、お客様の興味を引くことが多く、顧客戦略で最も大事な接客に繋がりやすくなります。

まとめ

細かい売場の改善である「1つ1つのPOPの文章を見直す」「ボードの写真を最新のモノに変える」「商品のフェイスを揃える」「クレンリネスを徹底する」ことは、現場に近い本部スタッフ、現場リーダーに任せればいいでしょう。

今回紹介した、お客様にずっと通ってもらう売場づくりの3つのベースは、顧客戦略のリーダーが進めることです。リーダーの皆さん、よろしくお願いします。

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